2011年8月18日木曜日

命の尊さを

 梅雨が明けたので、那賀川の水量は随分減ってきました。先々週と比べたら、水量も流れの速さもパワーもしょぼい。
 それでも那賀川は流れているのです。川だから。

 昨日の夕刻、16:30頃、独りでいつもの潜水橋前で練習をしました。
 練習開始早々、海パン、ビキニ、浮き輪を持った若者数人が対岸に現れ、こうきいてきました。

若者 「男の子見ませんでしたか?」
私 「見てないわ。」
若者 「何分前からここにいますか?」
私 「10分位前かなぁ。」

 岸は大きな岩がゴロゴロしていて迷路みたいになっているので、子どもが迷子にでもなったのかと思いました。

私 「何歳くらいの子?」
若者 「大学生です。」
私 「えっ?!流されたん??」
若者 「たぶん・・・。流され・・・。」

 何その、流されたっぽいっていう不確かな返事・・・と少々呆れつつ、
私 「何分前からおらんの?」
若者 「40分位前です。」

 でえええーーーーっ!!!それを聞いてこっちが焦りました。
 会話のイントネーションから、地元の、そして那賀川を知っている人間ではないなと感じていたのですが、川で、しかも流れの速いこの那賀川で"40分"が意味するもの、まだ彼らは気づいてないようでした。

 すぐに警察に連絡した方がいいと告げました。
 その十数分後、警察が到着。さらに十数分後、消防隊や救助艇がやってきて、ヘリコプターも捜索開始。

 無事であることを祈っていましたが、夜のニュース速報で知りました。
 キャンプ場下流300m付近で大学生の遺体を発見。
 
 ちょうど、とどろの瀬があるところ。
 サークル仲間男女30人でキャンプに来ていて、対岸まで泳いで渡ろうとして1人だけ流されたようです。 
 那賀川を知っている人はそこでは遊ばない。ライジャケなくして泳ごうなんて思わない。とろ場とみせかけて意外に流れが速く、すぐ下にとどろの瀬が待ち受けていることを知っているから。

 いつも自分が練習しているまさにその場所で、まだまだ将来が楽しみな18歳の尊い命があっけなく絶たれました。非常に悲しくもあり、あと30分早くに練習に出かけてたら、助けてあげれたのかなという思いもあり、なんだか浮かない気分です。犠牲者のご冥福をお祈りすると共に、二度と同じような水難事故が起こらないよう、ひとりひとりが川や海、自然の脅威を認識して遊ぶべきだと思いました。もちろん私もまだまだ未熟、川をなめず、気を引き締めて練習しようと思います。

2 件のコメント:

  1. まさか、あの現場にいらっしゃったとは!
    僕も新聞を読んで、なんであんなところで泳ぐかなあ……と残念に思っていました。
    以前にも、大阪(兵庫?)の消防の方が、B&Gのところで亡くなっているし(このときもライフジャケットをつけず、流されたバナナボートのようなものを追いかけて波にのまれたそうです)、12年前には僕の担任していた生徒が、丹生谷橋の上の瀬で泳いでいて亡くなっています。
    那賀高校の下の瀬でも、かつて寮の子が泳いでいて流され亡くなったと聞いています。
    那賀川は急に深くなっていて、流れも速いため、普通に練習をしていても、何度か危ない場面に遭遇しています(隠れ岩に生徒が張り付いた時には三馬さんが助けてくれました。このほかにもボートが何艇も壊れています)。
    堀内さんも一人で練習する際は気をつけてくださいね。

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  2. 謡さん

    私も独りで練習する時は、パドルが折れても、脱臼しても、ボートが流されても、自分の身体は助かる場所、水量を見極めて乗るようにしています。それでも100%安全とは言えませんよね。
    今回の事故は未然に防げた事故。無知が引き起こした事故。それ故に残念でなりません。
    自分も無茶をしないよう、川をビビっていた初心をいい意味で忘れずにやっていきます。

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